売買・贈与

不動産売買について

民法上は、原則として売買契約の成立をもって売主から買主へ所有権が移転します。
しかし、このままでは購入した不動産が自分の物だという事を第三者に対抗する事が出来ません(民法第177条)。
以下、具体例を用いて“対抗する事が出来ない”とはどういう事なのか説明をいたします。
具体例
売主Aさんが買主Bさんへ不動産を売却した後、更に別の買主Cさんに二度売りしてしまい、しかも買主Cさんが自分名義の登記をしてしまった場合。
買主Bさんは、「自分の方が先に買ったんだからこの不動産は自分の物だ!」と、買主Cさんに対して主張する事が出来なくなってしまいます。
具体例
そこで、司法書士が不動産売買の現場に立ち会い、売主・買主双方の必要書類や委任状への署名・捺印を確認して確実に登記が出来るかの判断を行います。
司法書士が問題無いと判断したらその判断をもって買主は売主へ売買代金を支払い(融資を受けて購入する場合は買主への融資の実行)、売主は必要書類及び売買対象物件の買主への引き渡しとなります。
司法書士が問題無いと判断をする=確実に登記が出来るという事になるので不動産取引には司法書士が立ち会うという慣行が出来ました。

登記手続上の注意点

① 登記の名義を共有にされる場合
実際の出資の比率に応じた割合で登記をするようにしましょう。
例えば、夫が2千万円、妻が1千万円出して3千万円の住宅を夫婦共同名義で購入した場合、
夫が3分の2、妻が3分の1という割合で登記をするのが原則です。
これを例えば夫2分の1、妻2分の1という割合で登記をしてしまうと、ローンを組んで購入する場合に
銀行から難色を示されたり、税務署から贈与税がかけられてしまう恐れ等が発生してしまうからです。

② 利益相反行為に該当する場合
売買が利益相反行為に該当する場合、通常の書面に加えて別途必要な手続及び書面が生じます。

例1.会社所有の不動産を専務である取締役が購入する場合・・・会社の承認手続を受けた事を証する書面を添付(株主総会か取締役会の議事録)
例2.未成年所有の不動産を親が購入する場合・・・家裁で特別代理人を選任し、その選任審判書謄本を添付
例3.成年被後見人所有の不動産を成年後見人の配偶者などが購入する場合・・・後見監督人が選任されている
→後見登記事項証明書を添付
後見監督人が選任されていない
→例2と同様

③ 農地を売買する場合
原則、農地法の許可書を添付しなくてはなりません(市街化区域内の農地であれば届出書で可)。
農地法上、農地とは耕作の目的に供される土地と定義されています。
例えば、田、畑、果樹園、牧草採取地、種苗の苗圃等です。
現況で判断されるので登記簿上の地目とは無関係です。
許可書が発行されるまでは申請から大体1ヶ月程かかりますので早めに手続をしないと引き渡しに
間に合わなくなるリスクがあります。
また、許可が出たからといって登記簿上の地目まで自動的に変わる訳ではないので予め申請しておく必要があります。
許可権者・・・都道府県知事(対象農地が4haを超える場合は農林水産大臣)
申請書の提出先・・・各市町村の農業委員会(対象農地が4haを超える場合は各都道府県の農地転用担当部局へ)

④ 登記名義人(売主)が成年被後見人の場合
司法書士への登記手続の委任は成年被後見人の法定代理人である成年後見人が行うことになります。
委任状への署名・捺印は成年後見人が行いますので印鑑証明書は成年後見人のものを添付します。
そして、成年後見人が登記名義人である売主の法定代理人である事の証明の為、下記の書類が必要となります。
・後見登記事項証明書
 その他、売買の対象物件が成年被後見人の居住用不動産である場合は、下記の書類も必要となります。
・家庭裁判所の許可書

⑤ 外国人の方が不動産を購入する場合
a.日本に在住している外国人の場合・・・日本人の方と特に手続に差異はありません。
b.海外に在住している外国人の場合・・・住所を証明出来る書面として、「在日大使館・領事館または本国の公証人の認証による宣誓供述書」が必要となります。
 
※本人の特定及び本人の住所がどこであるかの記載が必要です。
※一部の例外を除き、取得の日から20日以内に日本銀行を経由して財務大臣に報告書(「本邦にある不動産またはこれに関する権利の取得に関する報告書」)を提出する必要があります。

権利証を紛失した場合

権利証(登記済証or登記識別情報通知書)は一度失くすと再発行はしてもらえません。
そして、権利証は登記申請の際に必要となる書類の中でも一番大事と言っても過言では無い重要書類ですが、万が一
紛失している場合でも登記手続を進める事は可能です。
その場合は「事前通知制度」又は「司法書士等の資格者代理人による本人確認情報の提供制度」を利用して、手続を進めます(不動産登記法第23条)。

「事前通知制度」
権利証を提供して登記申請をすべき場合なのに正当な理由があって提出されなかった場合に、法務局が登記義務者(売買の場合は売主)に対して、当該登記申請があった旨及び当該登記申請の内容が真実であると考える場合には一定の期間内にその旨の申出をすべき旨を通知する制度の事です。
真実である旨の申し出があればそのまま登記手続は進行されますが、一定期間内に申し出が無ければ当該登記申請は
却下される事になる為、登記の真正が保たれる、という事になります。
なお、住所移転を利用した成りすましによる登記申請に対処するため、所有権に関する登記の申請がされた場合において
登記申請前に登記義務者の登記簿上の住所が変更されているときは、以下の場合(※)を除き変更前の住所にも原則とし
て登記申請があったことが通知(前住所通知)されることになります。

※前住所通知が省略される場合

①行政区画・名称変更の場合
②住所変更登記の受付日から3ヶ月以上経過している場合
③登記義務者が法人の場合
④本人確認情報を提供するケースで、申請人が登記義務者であることが確実であると認められる場合

「司法書士等の資格者代理人による本人確認情報の提供制度」
事前通知をすべき場合であっても、当該登記申請が司法書士等によって申請された場合において、当該申請人が登記義務者(売買の場合は売主)であることを確認した情報(本人確認情報)が提供され、かつその内容を登記官が相当と認めたときは、事前通知を省略し、直ちに登記手続が進行されます。

登録免許税の算出方法

登記の目的
税率
担保権の抹消登記
不動産の個数×1,000円
※20個以上の場合は一律20,000円
住所の変更登記
不動産の個数×1,000円
所有権保存登記
(新築建物の登記)
不動産価格×1000分の4
担保権の設定登記
債権額×1000分の4

住宅用家屋証明書について

住宅用家屋証明書とは、租税特別措置法に基づいて不動産登記にかかる登録免許税の減免を受ける際に、当該家屋が住宅用家屋である旨=当該減税規定に適合することを証明する、市区町村長発行の証明書の事です。
住宅用家屋とは、①居宅であり、②住宅専用床面積が50㎡以上、③区分建物は、耐火又は準耐火建築物である事。区分建物以外の家屋は建築後20年以内のもの。耐火建築物家屋は建築後25年以内のものを言います。
登記申請の種類
条件
税率
所有権保存
個人が新築又は築後使用した事の無い住宅用家屋を取得し、居住の用に供した事。
新築又は取得後1年以内に登記を受ける事。
不動産価格×1000分の1.5
所有権移転
個人が住宅用家屋を取得(売買・競落による)し、居住の用に供した事。
取得後1年以内に登記を受ける事。
不動産価格×1000分の3
抵当権設定
個人が新築又は増築の為、若しくは居住の用に供する新築又は既存家屋の取得の為の住宅資金貸付担保
新築又は取得後1年以内に登記を受ける事。
債権額×1000分の1

ご依頼頂いた場合の手続の流れ

STEP 1 お問い合わせ(電話・FAX・メール)及び無料相談
契約がお決まりになりましたら仲介業者のご担当者様のお名前とご連絡をお教え下さい。
※もし仲介業者指定の司法書士の見積書がございましたら合わせてお知らせ下さい。
STEP 2 不動産仲介業者担当者様との打ち合わせ
日時、場所、借入金額、資料の請求など仲介業者のご担当者様と打ち合わせを行い、見積を作成し必要書類の確認を行います。
STEP 3 登記費用と必要書類のご案内
登記費用、必要書類をご案内差し上げます。
当事務所で取得出来るものや事前に預かるもの(抵当権設定登記用の書類など)については決済日までに当事務所の責任で取得致します。

売主様にご用意頂く必要書類の例①権利証(登記済証or登記識別情報通知書)
②印鑑証明書(三ヶ月以内に取得したもの)
③ 会社謄本or代表者事項証明書(法人の場合。平成27年11月2日から変更あり。)
④ 運転免許証など本人確認が出来る書類(※)

買主様にご用意頂く必要書類の例①住所の証明書(住民票など)
②会社謄本or代表者事項証明書 (法人の場合。平成27年11月2日から変更あり。)
③運転免許証など本人確認が出来る書類(※)
(※)司法書士には司法書士法第2条に基づく職責とは別に、犯罪収益移転防止法により本人確認が義務化されています。ご協力をよろしくお願いします。
STEP 4 残金決済(物件の引き渡し)に立会
残金決済の現場に立ち会い、売主様・買主様双方から必要書類を受領し、委任状等の書類への署名・捺印を確認して確実に登記が出来るかの判断を行います。
問題無いと判断しましたら売主様へは物件の引き渡し(=鍵の引き渡し)、買主様へは売買代金の支払いをご案内いたします。
STEP 5 登記申請
管轄法務局へ速やかに登記申請をします。
大体2~3週間ほどで登記が完了し、購入された不動産の名義が買主様のものとなります。
STEP 6 権利証の送付
登記完了後に発行される権利証(登記識別情報通知書)や還付される手続書類を送付して手続が完了となります。

費用

当事務所でご利用いただく場合の費用
申請内容
報酬例
所有権移転
¥29,000~(税抜)
※登録免許税や郵送費等実費は除く
所有権保存
¥15,000~(税抜)
※登録免許税や郵送費等実費は除く
担保権設定
¥20,000~(税抜)
※登録免許税や郵送費等実費は除く
用益権設定
¥20,000~(税抜)
※登録免許税や郵送費等実費は除く
氏名・住所の変更
¥8,000~(税抜)
※登録免許税や郵送費等実費は除く
担保権抹消
¥9,000~(税抜)
※登録免許税や郵送費等実費は除く
※登記の報酬は、不動産の評価額・担保権の設定金額・不動産の個数によって変動が生じます。
 詳しい金額の算出をご希望される際は資料をご用意下さるようお願い致します。

贈与

贈与登記についても承っております。お気軽にお問い合わせください。

※贈与は書面を作成するか、引渡をするまではいつでも撤回が可能です(民法第550条)。
 権利保全の為にも是非当事務所へお問い合わせ下さい。

※非課税枠を大きくする税制上の特例もございます(相続時精算課税など)。
税理士と連携し、手続のサポートが出来ますのでご相談下さい。

贈与税について

<暦年課税>
その年の1月1日から12月31日までの一年間に贈与された財産の価額を合計します。
毎年110万円までは控除枠があり(基礎控除)、110万円を上回った分について課税されます。
基礎控除後の課税額
一般税率
一般税率
200万円以下
10%
無し
200万円超300万円以下
15%
10万円
300万円超400万円以下
20%
25万円
400万円超600万円以下
30%
65万円
600万円超1,000万円以下
40%
125万円
1,000万円超1,500万円以下
45%
175万円
1,500万円超3,000万円以下
50%
250万円
3,000万円超
55%
400万円
※平成26年までの贈与については税率や控除額が異なります。詳しくは下記をご参照下さい。
https://www.nta.go.jp/taxanswer/zoyo/4408.htm

ご依頼頂いた場合の手続の流れ

STEP 1 お問い合わせ(電話・FAX・メール)及び無料相談
STEP 2 登記費用と必要書類のご案内
STEP 3 捺印書類への署名・捺印
STEP 4 必要書類の受領、登記費用入金確認
STEP 5 登記申請
STEP 6 権利証の送付