相続登記

相続登記とは

ご親族が亡くなられると、原則として亡くなられた方の財産(不動産、預貯金などの積極財産から借金などの消極財産まで含む)の全てを相続人の方が引き継ぐことになります。
その相続財産の中に不動産がある場合に、不動産の登記名義を被相続人(亡くなった方)から相続人へ変更する手続が、相続登記です。

相続開始の時期

相続は、死亡によって開始します(民法第882条)。
「死亡」は法律上、次のように分類が出来ます。

1.自然的死亡
自然人が現実に死亡した場合です。
死亡届を提出した時や、死亡事項が戸籍に記載された時ではありません。

2.失踪宣告による死亡
a.普通失踪
不在者の生死が7年間明らかでない場合で、7年の期間満了時に死亡したと看做されます(民法第31条)。
b.特別失踪
危難に遭遇した者の生死が危難が去った後1年以上明らかでない場合で、
危難が去った時に死亡したと看做されます(民法第31条)。
 
3.認定死亡
自然人が死亡した蓋然性が極めて高い場合に、取調官公署の報告によって死亡事項が戸籍に記載された場合です。
戸籍に記載された死亡日に死亡したものとされます(最判昭28・4・23)

相続登記の一般的な分類

1. 遺言による登記・・・遺言書がある場合。分配方法・割合が被相続人(亡くなられた方)の意思による。
2. 遺産分割協議による登記・・・遺言書は無いが、相続人間で法定相続分と異なる分配方法・割合で相続財産を分配したい場合。
3. 法定相続分(※)による登記・・・上記のいずれにも該当しない場合は、予め民法で定められた割合によって登記することになる。
                 
※法定相続分(昭和56年1月1日以降に開始した相続について)
第1順位 子がいる場合 → 配偶者1/2  子1/2
第2順位 子がいないが直系尊属(親・祖父母など)がいる場合 → 配偶者2/3  直系尊属1/3
第3順位 子も直系尊属もいない場合 → 配偶者3/4  兄弟姉妹1/4

Cf. 昭和22年5月3日~昭和55年12月31日の間に開始した相続に関しては相続分の割合が現在とは異なります。
※最高裁判所平成25年9月4日決定があったことに伴い、旧民法第900条第4号ただし書の規定が削除されました。
これによって嫡出子と非嫡出子との相続分は同等となりました。
この規定は平成25年9月5日以降に開始した相続について適用となります。
しかし、平成25年9月4日以前に開始した相続については何も規定がしてありません。
その為、平成25年9月4日以前に開始した相続についてはどのような取り扱いとなるのかにつきまして、
非常に分かりにくいかと思われます。
詳しくは是非、当事務所までお問い合わせ下さい。

法定相続分の調整規定

法定相続分通りでは、相続人間に不平等感が生じてしまう場合もありえます。その様な場合のため民法では以下の様な修正規定を設けています。

特別受益

特別受益とは、共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者がある場合において、その遺贈や贈与を考慮して法定相続分を修正する制度のことをいいます(民第903条)。
※生命保険金は特段の事情が無い限り、特別受益には当たりません(最高裁判所決定 平成16年10月29日)

寄与分

寄与分とは、共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者がある場合において、その寄与した事実を考慮して法定相続分を修正する制度の事をいいます(民第904条の2)。

相続登記に必要な書類

一般的な例

①被相続人の戸籍謄本(出生~死亡まで全て)
※法律の改正や転籍などによって通常は複数の通数となります。
②被相続人の住民票除票
※登記簿上の住所から変更がある場合は住所の変遷の繋がりが確認出来る書類が必要となります。
③相続人の戸籍謄(抄)本
④相続人の住民票
⑤遺産分割協議書(※遺産分割協議を行う場合)
⑥相続人の印鑑証明書(※遺産分割協議を行う場合)
⑦相続財産である不動産の固定資産評価証明書

特殊な例

下記のいずれかに該当する場合、上記書類に加えて必要となる書類があります。

・相続欠格者がいる場合
 相続欠格者が作成した欠格事由がある旨の証明書(※)または確定判決の謄本
・廃除者がいる場合・・・廃除の旨の記載がある戸籍謄(抄)本
・相続放棄した相続人がいる場合・・・家裁の相続放棄申述受理証明書
・特別受益者がいる場合・・・特別受益者の作成した特別受益証明書(※)
・特別代理人が遺産分割協議に加わる場合・・・家裁の選任審判書謄本および特別代理人の印鑑証明書
・遺産分割調停に基づく登記をする場合・・・調停調書の謄本(この場合、戸籍の添付は不要となります)
・相続分の譲渡が行われた場合・・・相続分譲渡証書(※)

(※)実印を押印して、印鑑証明書を添付する必要があります。

登録免許税の算出方法

登録免許税とは、登記を申請する際に、国(法務局)に納める「税金」です。
登記を法務局に申請する際に、登記申請書に税額相当分の収入印紙を貼り付けて納めます。
つまり登記の手続上、法務局に対しては、登記が完了する前に登録免許税を納めなくてはいけません。
登記の目的
登録免許税
所有権の移転登記(相続)
不動産価格×1000分の4
所有権の移転登記(遺贈)
不動産価格×1000分の20
※受遺者が相続人の場合は×1000分の4

ご依頼頂いた場合の手続の流れ

STEP 1 お問い合わせ(電話・FAX・メール)及び無料相談
固定資産税納税通知書や権利証等の資料を拝見しながら相続による名義変更登記の必要書類や費用等について分かりやすく、ていねいにご案内致します。
無料相談後、相続による名義変更登記手続きをご依頼される場合には、業務委任契約を締結させていただきます。
STEP 2 遺言書の有無の確認、相続人調査・確定
遺言書がある場合と無い場合とで手続の進め方が異なります。

① 遺言書がある場合遺言書の内容に基づいて相続又は遺贈による名義変更登記手続きを進めます。
※遺言書がある場合は被相続人の方の戸籍を全て集める必要はございません。
※公正証書遺言の場合を除き、事前に検認手続をする必要があります。
※形式や内容の不備により遺言書を手続に利用出来ない場合は②と同様になります。

② 遺言書が無い場合被相続人の出生から死亡までの全ての戸籍謄本等を当事務所にて収集代行致します。
これらの作業により相続人の調査・確定を行います。
STEP 3  遺産分割協議書への署名・捺印
相続人及び相続財産が確定出来ましたら、相続人の方全員に遺産分割協議書へ御署名・御捺印(実印)を頂きます。
当事務所にてお会いできない相続人の方には、ご本人様確認として、「本人限定受取郵便」にて遺産分割協議書をお送りさせていただきます。
協議書返送後、意思確認のお電話をさせて頂きます。お手数ですが御協力の程よろしくお願いします。
※遺産分割協議をせず、法定相続分通りに登記を申請する場合は協議書の作成は不要となります。
STEP 4 確定登記費用のご案内及びお振込み
確定登記費用(定額報酬+実費)の請求書をお送り致しますので、当事務所の指定口座へお振込みいただきます。
STEP 5 相続登記申請
入金確認後、速やかに管轄法務局へ相続による不動産名義変更登記を申請致します。
登記申請後2~3週間ほどで相続による名義変更登記が完了致します。
STEP 6 権利証の送付
登記完了後に発行される権利証(登記識別情報通知書)や還付される手続書類を送付して手続が完了となります。

費用

当事務所でご利用いただく場合の費用
プラン
報酬の例
低額プラン
(遺産分割協議書作成や必要書類の収集を全てお客様に御負担頂くもの)
¥65,000(税抜)
※登録免許税や郵送費等実費は除く
標準プラン
(印鑑証明書の取得以外、当事務所にて必要作業の全てを行うもの)
¥80,000~(税抜)
※登録免許税や郵送費等実費は除く