40年ぶりの相続法改正の分かりやすいまとめ

40年ぶりの相続法改正の分かりやすいまとめ

2018年に成立した相続法改正により、2019年から2020年、そして2024年にかけて新しい制度が順次施行されました。
このページでは、改正ポイントを分かりやすく解説します。内容は法務省の公表資料をもとに整理しています。

相続法改正とは

1980年以来約40年ぶりとなる大幅な見直しです。
改正の目的は・・・

・配偶者の生活を守る
・相続トラブルを減らす
・遺言を利用しやすくする
・高齢化社会に対応する


です。

以下、詳しく解説していきます。

主な改正ポイント

① 配偶者居住権の創設

配偶者が亡くなった後も、自宅に住み続けられる権利が新設されました。
要件:被相続人の死亡時において、被相続人の財産に属した建物に配偶者が居住していた場合(民1028条1項)
効果:対象建物の全部について無償で使用・収益をすることが可能
期間:原則として終身の間。ただし別段の定めは可
 
メリット
・自宅に住み続けられる
・預貯金も取得しやすい

※実際に登記申請も可能です。
 ・必要書類・・・相続登記申請時とほぼ共通ですのでこちらをご確認下さい。
 ・登録免許税・・・対象不動産の固定資産評価額×2/1000

② 自筆証書遺言が作りやすくなった

“財産目録”はパソコンで作成可能となりました。

以前
・全文、日付、氏名を自署の上捺印(旧民968条)

現在
・財産目録はパソコンでもOK
・通帳コピーや、登記事項証明書の添付も可能

③ 自筆証書遺言保管制度

法務局で自筆証書遺言を保管できる制度が開始されました。
管轄は、遺言者の

  1、住所地
  2、本籍地
  3、遺言者の所有する不動産の所在地

  
のいずれかに該当する法務局です。

④ 預貯金の払戻し制度

遺産分割前でも“一定額までは”預金を引き出せます。

例
・葬儀費用
・当面の生活費

引き出せる上限は、1つの金融機関につき最大で150万円まで各相続人が単独で引き出せます。
上限額は、計算式「口座の残高 ×1/3×各相続人の法定相続分」で求められます。

⑥ 特別寄与制度

相続人ではない親族でも、介護など特別な貢献をした場合には金銭請求できる制度です。

例
・長男の妻が長年介護していた

⑦ 相続登記の義務化(2024年4月1日施行)

不動産を相続した場合は、一定期間内に相続登記を申請することが義務となりました。
正当な理由なく義務を果たさない場合は過料の対象となることがあります。 
なお、話し合いがまとまるまでに長期間かかりそう等の事情がある方に向けて、
“相続人申告登記”という制度もございます。

期間・・・不動産の所有権(相続の開始)を知った日から3年内
     ※過去の相続の場合は、2024年4月1日から3年内
過料・・・正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料

施工スケジュール

施工日
内容
2019年1月13日
自筆証書遺言の方式緩和
2019年7月1日
預貯金仮払い制度・遺留分制度・特別寄与制度
2020年4月1日
配偶者居住権
2020年7月1日
遺言書保管制度
2024年4月1日
相続登記義務化